ショップ名の由来

『ナツソマレ。』の由来についてお話しさせてください(この文章は2分くらいで見れるよ!)。

ショップ名の最初の二文字はご存知の通り日本語の「夏」から取ったものです。「ソマレ」は少し詳しく説明させていただきます。

日本からはるか西にスウェーデンという北欧の国があり、そこには世界一美しいと称される首都、ストックホルムがあります。このスウェーデン語で「夏」を表す言葉には「sommar」と「sommaren」の2つがあり、「sommar」は季節としての夏を表現する際によく使われ、一方で「sommaren」は具体的な出来事や特定の夏に言及する際に用いられます。

私は「夏」を季節としてだけでなく、夏に起きたその瞬間を感じることを意識してほしいと考え、

「sommaren」を選びました。

また、日本では近年若者言葉として定着した「エモい」という言葉があります。この言葉は英語の「emotion」に由来しており、心を揺さぶられる感覚や言葉にできない気持ちを表します。嬉しいといった気持ちだけでなく、寂しい・懐かしい・切ないといった、本来相反するはずの感情が含まれる、情緒を含んだ言葉です。

そして、心が大きく揺れ動かされるような特別な瞬間は、いつも夏に多いように感じます。

夏のバス停。真夜中、月に照らされた青い海。ぬるい夜、誘蛾灯のひぐらし。古びた商店街。

祭り、その帰り道。帰路、カラスの鳴き声と沈む夕日。

生温い空気に触れながら寂しさと美しさを感じた時にそういった気持ちになるのかもしれません。

夏にはそれだけ色んな感情が入り混じった世界を見ることができ、おそらくその感情を抱いた一人一人が感じ取ったものは同じようで全く違うものなんだと思います。

フィルムカメラで撮る写真は、しばしば「エモい」と言われますよね。フィルムの粒子、色味、光の滲み、

人肌の表現が独特の雰囲気を放ち、ただの写真からその場の空気感まで伝わってくることでその人の「夏」を思い起こさせるんだと思います。

そんな素敵な夏の季節に撮る写真は、ストックホルムのように皆が美しいと思う物でなくても。人からすれば他愛無いいつもの日々でも。

あなた自身がその瞬間を世界一美しいと感じた記憶です。

この先10年20年、100年たっても、その瞬間を鮮やかに思い起こせますように。

そんな大事な記録だからこそ、フィルムカメラで記憶して欲しいという思いを込めて。

ナツイロニソマレ。 ナツソマレ。